主催:日本建築協会2025年度 第71回工高生デザインコンクール
設計課題 まちなかのアートスペース
課題の趣旨
現代の私たちの⽣活様式は、時代の中で多様化し、⼤きく変容しました。テクノロジーの進化や新たな社会的課題を背景に、地域や社会との関わり⽅、コミュニティのあり⽅が⾒直されています。こうした時代において、アートの持つ⼒は、個⼈と社会の新しいつながりを⽣み出す可能性を秘めています。アートは絵画や彫刻、⾳楽、デジタルアート、インスタレーションなど多岐にわたっていますが、それらは時代や⼟地または出来事の影響を受け、地域の特⾊を反映してきました。アートは単に美を追求するだけでなく、⽇常の中に溶け込み、⽂化の継承や対話、共感を促す役割を担っています。⽇本の伝統⽂化や伝統⼯芸、或いは地域特有の⾵景や素材が持つ独特の雰囲気が、建物や空間に影響を与え、地域社会に根ざしたアートが巻き込むあらゆる活動がどのように⼈々の⽣活を豊かにしていくかを考えることは重要です。地域住⺠が主体的に参加できる空間や、アーティストと地域の⼈々が対話を通じて共創する場をどのように設計するかが、本課題の⼤きなテーマです。この「まちなかのアートスペース」は、作品の鑑賞だけの場所ではなく、地域の⼦どもから⾼齢者までが集い、創造や学びの機会を得る空間です。さらに、アートを通じて地域の⽂化や歴史を再発⾒し、新しい価値を創造するきっかけとなることを⽬指します。従来からある美術館やギャラリーなどといった「アートスペース」の枠を超え、地域に溶け込む形態やデザインを考慮し、そこに集う⼈々が新たなつながりや発⾒を得られる空間を提案してください。これからの時代にふさわしい、地域社会とアートを結ぶ豊かなアイデアを期待します。

最優秀賞牌
設計条件
1.建物の目的 | 既成概念にとらわれない「まちなかのアートスペース」の提案(新築のほか、従来の建物の再利⽤も可能。) |
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2.敷地 | 敷地の⼤きさ形状とも⾃由とし、具体的な敷地を設定する。 |
3.規模 | 延べ面積、構造、階数は自由とする。 |
4.所要室 | 使用方法を想定し、必要と思われるスペースを適宜設ける。 |
所要図等
(以下の1〜8全てを記載することとし、不記載の場合は失格となることがある。)
1.設計説明 | 設計意図を表すサブタイトルを必ずつけること。 設計趣旨(敷地周囲の状況等についての説明はもちろん、「誰が、どのように、利⽤する場となるのか」について述べ、そのために設計では何を意図したのかを⽂章や図で簡潔に表現する)を記⼊する。 |
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2.建築概要 | 必要に応じて敷地⾯積、建築物の構造、階数、各階床⾯積および建築⾯積、延べ床⾯積などを⽰す。 |
3.敷地周辺図 | 敷地周辺の環境や状況を⽰す。縮尺を明⽰する。 |
4.配置図 | 敷地における建物の位置、道路との関係、⽅位、縮尺を明⽰する。 |
5.平面図 | 室名、寸法を記入する。縮尺を明示する。 |
6.立面図 | 縮尺を明示する。(2面以上) |
7.断面図 | 室名、寸法を記入する。縮尺を明示する。(1面以上) |
8.透視図等 | 設計意図が最も反映するところを表現する。 |
9.その他 | 応募図⾯には⽒名学校名、マークなど応募者を特定あるいは類推できる内容は記載しないこと。 |
応募条件
(本年より、応募条件が⼀部改訂されているので、熟読のこと。)
1.用紙 | ⽤紙は製図⽤紙A1判(594㎜×841㎜)1枚を使⽤し、所要図等をすべて表現すること。また、図⾯のパネル化等は認めない。 |
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2.応募資格 | 2025年4⽉現在、⾼等学校在籍もしくは⾼等専⾨学校、専修学校の⾼等課程の⽣徒で、個⼈または共同(3⼈まで)で制作したものとする。 |
注意事項
1. | 作品の意図等を表現する際に、写真や図表等を補⾜資料として⽤いることは妨げないが、引⽤利⽤する場合には著作権等に⼗分に考慮すること。 |
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応募方法
応募方法 |
1.応募書類に、学校名、所在地、学年、⽒名(ふりがな)を記⼊の上、封筒に⼊れ製図⽤紙の裏に貼りつけること。(応募書類が⾜りない場合はこちらからダウンロードすること。また封筒の貼り付けはテープ⽌め等で封筒がはがれない程度とすること。図⾯を破損する恐れがあるので、糊のベタ塗りはしないこと。) 2.応募作品は学校を通じて提出すること。 |
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締切期日 | 2025年9月30日(火)の消印、あるいは受付印のあるものをもって締め切る。 |
送付先 | 〒540-6591 |
入選作品の数 および賞 |
1.入選作品は10点とする。 |
入選者発表 および表彰式 |
審査の結果は、各学校ならびに本⼈に通知するほか、本会の会誌「建築と社会」11⽉号に発表し、⼊選作品は翌年1⽉号に掲載する。なお、表彰式は2025年11⽉15⽇(⼟)に⾏う。 |
審査員 (50音順・敬称略)
審査員長 | 岸下 真理 | Atelier KISHISHITA共同代表 |
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審査員 | ⽷嶺 円路 | (株)⼤林組 設計本部 建築設計部 副部⻑ |
梅⽥ 武宏 | ウメダタケヒロ建築設計事務所 代表 | |
惠本涼太郎 | (株)⽇建設計 設計監理部門設計グループ 部⻑ | |
奥 貴人 | (株)安井建築設計事務所 ⼤阪事務所 設計部 部長 | |
久保 岳 | (株)昭和設計 建築設計部 部⻑ | |
多⽥ 正治 | 多⽥正治アトリエ主宰・武庫川⼥⼦⼤学 准教授 | |
根木 和人 | (株)東畑建築事務所 本社オフィス⼤阪設計室 副室⻑ | |
野⼝ 伸 | (株)⽵中⼯務店 ⼤阪本店 設計4部⾨1グループ⻑ | |
柳沢 究 | 京都⼤学⼤学院⼯学研究科 建築学専攻・准教授 |
このコンクールは、工高生の設計技能の向上を⽬的とし、昭和30(1955)年より毎年テーマを変えて開催しています。